「触れる=タッチ」は、人間にとって最もシンプルな癒しの手段であり、コミュニケーションの原点です。
手で触れるだけで痛みが和らぐ、心が安定する…。まるで魔法のようですが、適切に触れることによって感覚受容器からの「快」の信号が脳に届き、幸福感や人との絆を深めるホルモン「オキシトシン」の分泌が促されるほか、痛みやストレスの緩和にも役立つことがさまざまな研究によって明らかになってきました。
「人は誰もがセラピスト」であることをより広く啓蒙すること。そして、何らかの「触業」に就いている方には、その奥深さをもっと知っていただくこと。それらを目的として「日本タッチ協会」は設立されました。
「タッチ」を通じて心身が満たされ、彩りある豊かな人生を創り出していくことを願っています。
山口 創 Yamaguchi Hajime
桜美林大学 教授。1967年静岡県生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。専攻は、健康心理学・身体心理学。臨床発達心理士。「子供の『脳』は肌にある」(光文社新書)、「手の治癒力」(草思社)など著書多数。
有本 匡男 Arimoto Masao
セラピスト/ボディワーカー。2017年1月までヘルスケア企業で10年マネージャーを務め、現在はフリーランスでセラピーの提供、場創りに奔走する。セラピーも場創りも各人の個性のその場の流れを尊重し、最大限に可能性を引き出しながら、プロセスを邪魔しないように関わるスタイルを得意とする。
中川 れい子 Nakagawa Reiko
NPO法人タッチケア支援センター理事長。エサレン®ボディワーク認定プラクティショナー。阪神淡路大震災で被災し、避難所・仮設住宅でボランティア活動に参加したことから、身体を通じて行う心のケアと癒しに関心を持つ。心と身体のつながり、心身の気づき、関係性、そしてタッチの質感を重んじる心身に優しいタッチケアのあり方を追求している。